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青海(おうみ)と申すものの煩悩の叫びブログ。 現在上橋菜穂子さんの守り人シリーズにどっぷりハマリ、原作がとにかく大好き。アニメ、コミックスも好きです。ごくまれに駄文を書くかもです。古い記事にはアニメGH(小野不由美:悪霊シリーズ)のツッコミもあり。
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Fri 25 , 12:27:47
2008/01
やっと感想書けます~~。
遅くなりました、1月21日の代々木での講演会の感想です。
どうにか電車にも酔わず、迷わず、行って帰って来れました。

講演会などは、どこまでブログにあげていいものやら迷いますので、私個人の感想として書かせて頂きます。

感想へは「続きを読む?」からどうぞ~。

ふな ななえさんへ伝言を託してくださった方への私信
無事に生き抜いてくれましたか(笑)
喜んでいただけて嬉しいです。
またお会いできる時を楽しみにしています。

「物語を読むこと、書くこと」    2008年1月21日代々木にて

この日の天気は予報からして雪。
電車動くんだろうかと数日前からハラハラしながら当日を迎えてみれば、曇ってはいるものの雨も降らない上出来な天気。
この予報にはらはらしてたのは 私だけではないらしく、その「雪が降ったら困る」との大人思考と、その裏にこっそり存在する「雪が降ったら嬉しいぞ」というわくわくする気持ち。
それを話の枕に持ってきて、一気に上橋さんの世界に引き込んでくれました。

今回は講演時間が一時間。
通常は一時間半なので、どうやって普段と違う話し方でまとめるか、苦心されたとのことですが、話の密度は相変わらずで、メモを取る右手がオーバーヒートしないうちに終わってくれて助かったという気すらしています(激爆)

話の内容などは上手くまとめられませんので(結局メモを全部書いても、上手く伝えられないかと)私が印象深かった点について。

上橋さん子供の頃に拾った化石や、石器などから「時の流れの大きさ」というべきものを感じた、そしてその中で生きている人間の時の短さ、儚さのようなものが浮かび上がってくる。そんなことを、前回のジュンク堂のときも、今回も仰ってました。
また、ファンタジーの特徴として「個人を描くのではなく世界を描き出すのに全力を注ぐ」と仰られてました。

それを聞いたときに、私には「天と地」第三部で、チャグムがナユグに行って、先代のニュンガ・ロ・イムの殻を見たシーンを思い出しました。
このシーン、私は守り人全話を通してもかなり好きなシーンでして。
チャグムが卵を抱いたのが始まりであるこの物語。
その「全ての始まり」が、他の世界では生き抜くための戦略の一環であり、生き抜くための大きな流れの一つであること。
チャグムにとって、そして新ヨゴという国にとっても大きな節目となった出来事が、他の世界から見ればたくさんある流れの一つに過ぎないこと。
それを感じたことにより、この世界の流れが人の世の動きだけでなく、サグの生き物もナユグの世界も生きて呼吸していることをリアルに感じさせてくれたシーンでした。
某所に投下した守り人感想に「呼吸する世界の中の物語」とまず書いたのは、このシーンが私にとってそれだけ強烈だったからです。
たとえば、このシーンが削られたとしても、この物語は大きくうねる人の世の流れを描いた、充分にスケールの大きい物語です。
しかし、このシーンがあることによって、人間の世界を突き抜けてもっと広い世界までを内包する、懐の深い物語になったのだと思っています。

そんなことを頭のどこかで考えながら(何せ右手は目一杯の速さでメモ取ってるから、思考がひらめいても断片的・苦笑)、話を聞き続けてると、「世界を描くのに全力を注ぐ」のであれば、わたしが「呼吸する世界」と感じたのも あながち的を外していなかったのかなと ちょっと嬉しくなった次第。
 
また、ファンタジーの特性として「いつか」「どこか」の物語を書くことで 広大無辺な時の流れの中の ちっぽけな一点が自分のいる位置であることを俯瞰させてくれる、一点の儚さであることを浮き立たせてくれる、と述べてくださったことが、まさにあの巨大な抜け殻のシーンで感じた荘厳さ、自分に対する頼りなさ、儚さと一致する、と思ったときは、「ああ、ちょっとは近い視点で見られたのだろうか」と思って嬉しかったです。

上橋さんは、守り人のあたりからファンタジーの呪縛(魔法を出す・不思議を描くなど)から自由になってきた。
ある世界を生きていく人々の話を書けば良い、それが自分に合っていると述べられて、これも聴いてて嬉しかったですね。
どんな形であれ、本は結局「作者」と「読者」の対話であり、読者(つまりは私)からすれば作者の内面を覗かせてもらえる作業であると思ってます。
だからこそ、魅力的な内面を見せてくれる人に会えれば嬉しいし、その人が無理しないでくれればもっと嬉しい。

本を読むことは、生きていく上でこれほど関係のない趣味もない、けれどもこれほど楽しいこともそうそうない。
読んでるだけで脳が火照るほど楽しい、そしてそういった読み方をしていた子供の頃の自分の目を意識して物語を書いている、と仰っていましたが。
御蔭様で、私も脳が火照るほど、読んでいることが嬉しくてたまらないという体験をさせてもらっています。
(ついでに書き留めることが楽しくて、右手が火照るほどの体験もさしてもらいました・笑)
上橋さん、ありがとうございますm(_ _)m


さてさて、講演会終了後、質問コーナーがありまして。
時間の関係で質問を一つ、誰かある方は挙手してください、と司会の方が言った時。
・・・・誰も挙げない。
「ようこそ先輩」を見た人の少なさから言っても(途中挙手アンケートがあった)、上橋さん講演会常連はあまりいなそうだと思った私。
2、3秒迷った後、先陣切らしていただきました!
最後列に座っていたため&気合入れたため(でも微妙に怖気づいてるため)上腕の外転第二相な感じで挙手!
(普通に挙手の場合 肘から先をあげることが結構多いが、これは上がっているのは前腕。上腕の外転だと肩から手を動かす。上腕の外転第三相=目一杯挙げる状態にすると、ヨイコが「はいはいは~~い!!!」てな感じに挙げた状態を想像してもらえばよい@微妙に変な揉み屋知識)
青海  「守り人短編集、どこの出版社から出るんですか!?」
上橋さん「そりゃあ守り人だもん、偕成社さ!!!!」
をを、やっぱそうなんだ~~(文体変わってるから、どこから出るか不安だった)と一人喜ぶ私を尻目に、司会の方が瞬殺で終わってしまった「一つだけの質問」にあっけに取られていました。
・・・・ごめんなさい、司会の方。

その後二つほど、獣の奏者がらみの質問が出まして、丁寧にお返事なさってました。
○どういう経緯であの話ができたのか?
○挿絵には王獣も闘蛇もないけれど、それは上橋さんの意思があったのか??
ということでした。
一つ目の質問は、インタビュー記事など読んだ方にはある程度馴染みだと思いますのでここでは割愛。
二つ目の質問には特に意図はなかったとのことでした。
いっそ自分がみたかったなぁ、というくらい。

この後サイン会にて終了となりました。
また一人一人と丁寧に話してくださって、楽しい会となってました。
私はその後上野へ流れ、ななさんと合流して守り人語りvv
楽しい一日を過ごしてきました~。


 
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しがない揉み屋
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こんにちは、青海と申します。
GHにハマり、そのご縁で守り人にほれ込みました。
ごくまれに文章書くときもあり。
ヘンな物体ですが、ヨロシクお願いいたしますm(_ _)m
もし何ぞ青海に申し付けたい事などございましたら、
oum_syou@yahoo.co.jp
までご連絡くださいまし~~v
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